2023/04/10 00:29
戦前までの日本は広葉樹林の国でした。それが戦後、針葉樹林の国に変わり花粉症で悩む国民が増えました。
なぜ針葉樹林に変わったのか?
それは針葉樹が木材として適しているのと(加工しやすい)
木材に使われる木では、広葉樹だと成木になるまでに150年〜200年かかりますが、針葉樹の場合40年で成木になります。(針葉樹より広葉樹の種類の方が断然多く、漆とか桑とか広葉樹の方が成長は早いのですが)
その為に当時の日本政府は針葉樹の植林を進めたのでした。
戦後すぐの頃、材木が足りなくなりGHQは丸太の関税を撤廃します。
その頃は円安でしたので、関税を撤廃しても輸入木材は高かった為、日本国内の林業も競合出来ていました。
しかし日露戦争の借金の利子の返済も終わり、アメリカの双子の赤字が問題となっていた1985年、プラザ合意により一気に円高に振れます。ここからバブルという経済事故が発生するのですが、話が逸れる為割愛します。
円高になると輸入品が安くなりますので、外国産の良質な木材が安く手に入るようになりました。
そのことにより、日本の林業は衰退していきます。なぜなら枝打ちや間伐をすればそれだけ人件費がかかり、それは木材へ価格転嫁される事になります。国内産は高く、輸入品は安く。1985年からの急激な円高への変動は林業にも大ダメージを与えたのです。
とはいえ、国内産は高いというイメージが強いのですが、実際のところ生産規模の違いから国内産の木材は輸入木材に比べると少し割高なだけなようですが。
したがって針葉樹林の国に変わった日本の山は割とほったらかしになっていきました。花粉というのは幹からは出ません。枝から出るものです。ですから枝打ちされなくなったらそりゃもう花粉は出し放題になります。
少し大まかに言いますが、広葉樹は団粒構造の下の地盤まで根を張りますが、針葉樹は横に根を張るので地滑りを起こしやすくなりますし、山の保水力も低下してしまいます。それによって大雨の際、河川が氾濫しやすくなるのです。
ここ10年〜20年、日本国内で多発する水災や花粉症の原因の一つとしてここに記しておきます。