2025/05/26 14:57
その多種多様性を壊そうとこの日本に迫ってきている勢力があります。それが多国籍をもつ穀物メジャーなんですね。その多国籍穀物メジャー企業が作った条約が、TPP【環太平洋戦力的経済パートナーシップ協定】です。そして今後アメリカのトランプ大統領はこのTPP以上にアメリカにとって有利な条件でのFTA自由貿易協定を迫ってくるはずです。
もともとトランプ大統領は第一次トランプ政権の時に、このTPPに不参加としていますが彼にとってそれは多国籍企業に対する裏切りであったかもしれません。ですからその埋め合わせのためにTPPよりもはるかに旨みのあるFTAを多国籍企業に献上しなければならないのだと私はずっと思っておりました。彼のいう【アメリカファースト】というのは決してアメリカ国民が先で国家が後という意味ではなく、アメリカという国家を支える大企業群の利益がまず先にあって、国民はそのあとね!という意味なんです。決して我々日本人が連想する国民が先で国家が後という意味ではないんですね。ここら辺の認識はそれぞれの国家の成り立ちに起因します。アメリカという国家の成り立ちは清教徒革命にに敗れたピューリタンというピルグリムファーザーズから始まります。ヨーロッパならばキングがまず先で国民が後。日本ならば国民が先で国家があと。どれが良くてどれが良くないとかはわかりませんし、国家の成り立ちや事と次第によるケースバイケースでしょうから一概にも言えません。しかし、今言ったアメリカファーストをこれから世界中の国々に押し付けてくるということは間違いなさそうです。
アメリカという国はそもそも戦争をしていなければ滅びる国なんですね。アメリカ国内には戦争の恩恵にあやかれる企業が2万社もあるときいたことがあります。だからアメリカ経済というのは戦争ビジネスで成り立ってきたと言っても過言ではありません。しかし、その戦争ビジネスも今ではかつてほど儲からなくなってきているんですね。そこで金にならない戦争ビジネスに見切りをつけて、これからどうしようかというのをトランプ大統領は模索しているのではないかというのが私の大雑把な見立てです。だからといってトランプさんが聖人君子で英雄だと私はこれっぽっちも思ってはいません、私はブルーススプリングスティーンの大ファンですから。【笑】
アメリカという国はエネルギーも食料も自国で賄えますよね。しかし輸入に頼らないといけないものもありますから貿易をしないわけにはいきません。ですから自国に有利な条件で世界各国とFTAを結びたがっているわけですね。
ここでTPPについておさらいをしましょうか。2012年ぐらいからTPPというのが日本でも話題に出てくるようになったわけですね。日本国内ではメディアの筆頭株主が当時から外資に抑えられていたせいで、TPPについて詳しく正しく報道されてきませんでした。TPPというと【関税がどうたらこうたら】【国際的な競争力を高める】といった話ばかりだったと思いますが、実は【非関税障壁の撤廃】これが最大の目的なんですね。【非関税障壁の撤廃】というのは簡単にいうと、【自国の産業のエコ贔屓をやめろ!】ってことです。外国製品に関税をかけて日本の産業を守るというのがこれ通常なんですが、関税をかける以外の方法で【いやこれは日本の産業だから外国製品は認めません】というのがエコ贔屓です。
その良い例が日本国内で栽培されてきた米だったんですね。で、そのお米のあれこれを一手に引き受けてきたのが農協です。で、多国籍の穀物メジャーにとってはその農協がもう本当に邪魔で邪魔で仕方なかったんですね。だから、2015年あたりに自民党の農林部会が農協改革という名目で農協叩きをやったんですね。これはおそらくTPPの準備運動だったと思います。
農協叩きという名の農協改革と、TPPの対策をしてしまったのが当時の自民党農林部会長であった小泉進次郎さんです。そして脇役ですが自民党農林部会長代理が藤井ひさゆきさんという自民党政治家です。兵庫県を縄張りにしている脇役政治家です。
将来的には進次郎さんはワシントンDCにある投資紛争解決国際センターというICSIDというところでISDS訴訟を起こされるかもしれません。というのも当時、さまざまなTPP対策を行なってしまっているのです。TPPは対策してはいけないということがおそらくわかっていなかったのでしょう。訴訟に持ち込むかどうかは多国籍企業の匙加減一つで決まります。ISDSは日本国はおろか、日本国内のすべての自治体も対象リストに入っていますし、もっと程度の悪い話をするとこのICSIDという投資紛争解決国際センターというのは裁判官はアメリカ人です。もちろん訴えてくる多国籍企業の弁護士はアメリカ人です。まぁ負けます。ですからそういうリスキーで、多国籍企業の穀物メジャーに首ねっこを掴まれた人物が今の農林水産大臣の小泉進次郎さんなんですね。やばくないですか?首ねっこを掴まれた進次郎さんはこれから多国籍企業の穀物メジャーに何をやらされるでしょうか?と。モンサント社からどんな要求があるんでしょうか?と。
そして多国籍企業の利益を最優先に考えて行動するトランプという多国籍企業の手下は日米FTAで一体どんな要求をしてくるでしょうか?
もう一度言います。アメリカはTPPを脱退しましたが、TPPを模範にしたTPP以上にアメリカにとって有利なFTAを日本に迫ってきますよ。12年13年かけてやっとここまで漕ぎ着けた多国籍企業の執念は凄まじいですよ。ま、そもそもモンサントやカーギルなどの多国籍企業はアメリカがTPPに参加しようが参加しよまいが多国籍企業なので関係なかったと思いますが。
農協の持つ農業と金融業と保険業は多国籍企業にとって、欲しいものばかりなんです。株式会社ならば資本を乗っ取れば済む話ですが、農協というのは団体組織であるがゆえに潰すしかないんですね。この12、3年の全農全中や農協をめぐる経緯を振り返れば今後の方向性が容易に想像がつきます。多国籍企業の穀物メジャーの一つであるモンサント社の目玉は遺伝子組み換え作物です。これから農協に代わってモンサントが日本の農業を仕切るやも知れません。
TPPのP4と呼ばれる原協定には、加盟国に国内法をTPPのルールに合わせろって書いてあるんですね。第30章に、協定の義務を果たすために必要な国内法の調整をしろ、と。特に、第2章の内国民待遇で、外国企業を日本の企業と同じかそれ以上に扱え、とまでおっしゃってあらせられます。第9章の投資保護では、ICSID(投資紛争解決国際センター)を使ったISDS(投資家対国家紛争解決)って仕組みがあって、多国籍企業が日本政府を訴えられるようにしてます。日本の農地法(1952年制定、2023年改正)は、農地の取得や賃貸をガチガチに制限して、外国企業が日本の農地を買えないようにしてるんですが、これは食料安全保障のためだよ、ってのが日本の言い分なんですけど、TPPのルールから見ると、「外国企業の参入を妨害してないかな?してるよね?」って多国籍企業に訴えられたら、農地法を改正しろって圧力がかかる可能性があるんです。が、そもそも圧力がかかる前に加盟国も加盟国の自治体も自主的に国内法を改正せよ!っというのがTPPなんですね。
補助金も同じ話です。日本の農業補助金、例えば減反政策や転作補助金や水田活用の直接支払交付金は、国内農家向けで、外国企業は対象外。これが「不公平だ!」って多国籍企業に突っ込まれたら、ICSIDで訴訟リスクが跳ね上がる。実際、農協が米農家の命綱として補助金を支給してるのが、多国籍企業には目障り。2015年の農協改革は、農協の力を削いで、TPPで多国籍企業が日本の米市場にガンガン入ってきやすいようにしたかったんじゃないか、とさえ思います。
農協の金融·共済事業、150兆円とも言われるマネーを外資が狙ってるんです。農林中金は誰も買わないハイリスクな金融商品をたんまり買わされてるって話は随分と前から聞いていました。
進次郎さんは「農協は農家が食べていくためのものなのに、手数料で食ってる意識があるなら問題だ!」ってJA全農を批判したけど、そりゃそうだな、農協の職員さんもよくよく考えを改めるべきだと私も思いました。だって農協ってまるで殿様商売じゃないですか。農家をいじめてっていうか農家は赤字で米作りしているのに農協の職員は年収一千万円以上だったりする人もいるわけでしょ?
農協の職員の給料を民間企業と同じレベルにしたら、農家に還元できるだろって私は昔から思ってます。農協もそこら辺を考えて見直す時期に来ているとは思いますよ。
でも小泉進次郎さんがやった農協叩きは農協の力を削いで外資に市場を開放する狙いもあったんじゃないかなと思います。
さらに、2017年に種子法が廃止されたんですね。元農林水産大臣の山田正彦先生の【タネはどうなる?】というのを参考にして話していきますと、種子法は、米や麦の良質な種子を国が守る法律で、食料安全保障の要だったんですね。それが、TPPや日米2国間合意の規制改革推進会議で廃止が決まったんですね。なんと。種子法廃止ですよ。モンサントみたいな多国籍企業が、遺伝子組み換え種子を日本にガンガン持ち込みたいから、ってのが裏にあるんですよ、これ多分。
規制改革推進会議は、まさに外資の要求受け入れ窓口で、「経済版·日米合同委員会」って呼ばれてるんでね。種子法廃止で、農家の在来種が減って、モンサントの遺伝子組み換え作物や「ターミネーター技術」(自家採種できない種子)が広がるリスクが跳ね上がりました。インドやメキシコでは、モンサントの種子価格高騰で農家が苦しめられている例もあります。
でアメリカのトランプさんがTPPを蹴り飛ばして一旦小康状態が続いてたんですが、先ほどのべたように、多国籍企業にTPP離脱の、その埋め合わせをする段階にいよいよ入ります、と。ということなんですね。ディープステートには攻撃的なトランプさんもさすがに多国籍企業には逆らえないんですね。
で、話を戻しますと、2025年5月、小泉進次郎さんが農林水産大臣に就任しました。Xでは「小泉はアメリカの操り人形」「農協マネー150兆円を外資に差し出す」って声も上がってますが、そういった目論見がどこまでのウエイトを占めているかは今の所未知数ですが。
実際、農協の農業·金融·保険業は、多国籍企業にとって宝の山ですよ。
もしも農協が株式会社なら株を取得して乗っ取れるんですが、農協は団体組織なんでそれができないんですね、ですから農協は潰すしかないんですよ。
トランプさんの日米FTAは、TPP以上にヤバいです。TPPはアメリカが2017年に脱退しましたけれど、トランプは多国籍企業の走狗として、TPPを模範にしたもっとアメリカ有利なFTAを日本に押し付けてくるはずなんです。12、3年かけてここまで漕ぎ着けた多国籍企業の執念、凄まじいですよ。日米FTAで、農地法の緩和、補助金の見直し、遺伝子組み換え作物の規制緩和をガンガン要求してくると思われます。
小泉進次郎さんが農水相になった今、ICSIDでの訴訟リスクは多国籍企業の匙加減一つです。モンサントやカーギルが「農地法が投資の邪魔」「補助金が不公平」って訴えたら、億単位の賠償請求や法改正の圧力がかかります。首ねっこを掴まれた小泉氏が、多国籍企業に何をやらされるか? 農地法の緩和、補助金の外資開放、農協の金融·共済事業の切り売り、遺伝子組み換え作物の導入促進…全部あり得る話です。江藤大臣の更迭から進次郎さんの起用はこれらが前倒しになるトラブルです。進次郎さん自体がトラブルです。トランプの日米FTAの威力を倍増させる進次郎マジックです。農協に代わってモンサントが日本の農業を仕切るなんて、悪夢みたいなシナリオが現実になるかもしれません。